距離と自由度と慣性



  • 人間関係(上司部下関係、教師生徒関係、親子関係)
    において、距離dが近いと自由度nが低くなる。

    自由度nが低いということは、障害物が多いということである。
    障害物が多いということは、前進するにあたって、
    障害物を回避するための労力Fがかかるということである。
    よって自由度nが低いと速度vが遅くなる。

    反抗期の子供が頻繁に反抗するようになるのは、
    親と子供の距離が近すぎることが原因で、
    適切な距離を空ければ、反抗期でも反抗されることは少ないのだ。

    親の知らないところで子供は常に成長しているわけであり、
    成長に応じて距離は空けた方がいいのである。
    だからといって距離を空けすぎると、自由度が高くなりすぎる。
    自由度が高いと、人はリスクを恐れ不安を感じるようになる。

    例えば、会社で、何をやっていいかもよく分かっていない人に、
    いきなり自由度の高い仕事を与えてしまうと、不安から身がすくみ、
    一つ一つの作業が著しく遅くなり、仕事が進まなくなってしまう。
    能力に応じて自由を割り振らなければならないのである。

    つまり、人は、距離が近いと自由度が低くなることから
    苛立ちを覚え感情的になりやすくなり、逆に、
    距離が遠すぎると不安から何もできなくなる
    のである。
    こういう意味からも、人それぞれ最適な距離があると言える。

    ここで、心は慣性に従い動いている。自由度nが高いと
    速度vは上げやすいが、反対意見を言ってくる人がいれば、
    急に自由度nが下がることになり、そのまま衝突することになる。
    エネルギーWは速度の2乗に比例するわけで、衝突すれば、
    した方もされた方も予想以上に衝撃を受けることになる。

    併せて、何かするにあたって心には摩擦力Fが働き、最初の第一歩は
    中々スタートできない。対して、毎日の習慣になっていることは
    継続しやすい。静止摩擦力と動摩擦力が異なるように、
    日々こなしていることであれば、面倒とは感じなくなるためである。
    であるならば、習慣化することが望ましいのだ。

    まとめると、物事の最初はいつも以上に労力がかかり、
    進行中に誰かと衝突したときは予想以上に衝撃を受ける。

    以上を踏まえると、衝突しないことで習慣化することが理想だと言える。