定義
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心の3法則・3原則を以下に示す。
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【心の3法則】
心の現象を物理現象と見立てて、力学で解釈する。そのため、
ニュートンの運動の3法則を心に適用する。基本的にはそのままの形で
適用するが、心と物体とでは異なる点もある。この3法則を
心の3原理とする。捉え方として、心は、空間的な広がりを持った、
いくつかの質点の集合体と想定する。これらの質点の相互作用により
心に現象が発生すると見立てて、心の現象を3法則を踏まえ説明する。
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1.心の第1法則(慣性の法則)
心の状態は、内部・外部から力を加えられない限り、
静止している心は静止した状態を保ち、
変化している心はその方向へ変化し続ける。この性質を慣性と言う。
現状の心の状態、および、その時点からの変化は、
これまでの力の影響の結果である。
心は望んだ方向へ変化するのではなく、慣性の方向へ変化する。
2.心の第2法則(運動の法則)
力の作用を受けた心は、心の大きさに反比例し、かつ、
加えられた力の大きさに比例して、変化(変化の変化を含む)を生じる。
この変化を加速度と言い、心の大きさを質量と言う。
そのときの加速度の方向は、加えられた力の方向と一致する。
ここで、成長や衰退などにより、心の質量は増減する場合がある。
このとき増加した質量は、その時点での慣性を引き継ぐ。
3.心の第3法則(作用・反作用の法則)
内部で完結する行為、外部に影響を生ずる行為、のいずれかを問わず、
あらゆる行為の結果、外向きに作用を及ぼし、内向きに反作用を及ぼす。
それらの力は、向きは反対で大きさは等しい。この外向きの作用が、
外部の他の心へ影響を及ぼすことで、心と心が相互作用する。
したがって、作用・反作用は、衝突によって発生するわけではなく、
行為が成されることで発生し、その結果の一つとして心が相互作用する。
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【心の3原則】
心の現象を、人間関係の観点から解釈する。さきほどの
心の3法則を踏まえ、心をいくつかの質点の集合体として捉える。
それら慣性を宿す各々の質点は、互いに影響を及ぼし合う。
例えば、互いに強め合ったり、心の中で消滅したり、はたまた、
混ざり合って変形することもある。こうした心の振る舞いによって
人間関係に生じた現象を、心の3原則に基づき説明する。
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1.心の第1原則(「内から外へ」の原則)
心の質量は、内部からの作用によって増減することはあっても、
外部からの作用によって増減することはない。
特に、心が成長の状態にあるときは、時間に比例して質量が増すため、
心の内部で生じた要因をそのままにしておけば、
やがて必ず心の外部へ影響を及ぼすようになる。逆に、
内部で要因が育まれていなければ、外部に影響を与えることはできない。
2.心の第2原則(「見たいように見る」の原則)
刺激に対してどう反応するかは、心の中で評価された結果に従う。
この評価は心の慣性に依存する。そして、
内部・外部から、この評価に対して、影響を与えることはできない。
つまりこの評価は、自分の意思に関係なく行われる。
慣性を変えることによって評価を変えることはできるが、
直接この評価に影響を与えることはできない。
3.心の第3原則(「与えて与えられる」の原則)
もし、受けた刺激が、他者の心を発信源とする刺激である場合、
その刺激を打ち消すような刺激を求めるように、心が反応する。
その結果、与えられたことに対してより与えようとする。
「与えて与えられる」の反対である「奪って奪われる」も同様に
成立する。時間と情報が無限である理想的な空間であれば、
「与えて与えられる」「奪って奪われる」の原則は完全に成立する。