原則
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人間関係の原則として、
・「内から外へ」の原則
・「見たいように見る」の原則
・「与えて与えられる」の原則
の3つがある。
この3原則は、会社における上司部下関係、学校における教師生徒関係、
家庭における親子関係など、幅広く人間関係を説明できる原則である。
以下に各原則を簡単に説明する。
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「内から外へ」の原則:
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「内から外へ」の原則とは、心の内側にあるものはやがて形を成し、
いつかは必ず心の外側へ出ていくことを意味している。
「思う」は行為の一つである。「行為」については、
仏教では三業(意業・口業・身業)に分類し解釈されている。
意業: 思考すること、決断すること、想像することなど
口業: 言葉にすること、喋ること、文章を書くことなど
身業: 行動すること、実行すること、創造することなど
この三業に「内から外へ」の原則を当てはめると、
「意業→口業」もしくは「意業→身業」の順で行為がなされると示せる。
つまり、この世の中で永遠に隠し事をするなど不可能であるし、
失言した人は本当はそう思っているからこそ失言したわけであるし、
信念もなくいきなり大きな行動は起こせないということである。
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「見たいように見る」の原則:
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「見たいように見る」の原則とは、人の評価についての原則であり、
「評価においては、評価したい人が、評価したい箇所を、
評価したいように、評価したいだけ、評価する」ことを意味している。
相手が自分の行為に対してどう反応するかは相手次第であり、
相手の評価の自由は犯すことができない、ということである。
自分を高く評価してほしいがゆえに、相手の評価を否定する
というのは無駄な行為なのだ。ただ、相手の評価能力が低い
と評価することは、やはり評価する自分の自由である。
つまり、誰にでも通じるような絶対的な善は存在しないのである。
善かれと思ってした好意も相手によっては恨まれかねないのだ。
人によって善悪の基準は違うのである。
したがって、自分のことしか考えていない人がコミュニケーションを
失敗するというのは、当然といえば当然の話である。
自分しか見ていない人は自分を喜ばすことしかできないのだ。
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「与えて与えられる」の原則:
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「与えて与えられる」の原則とは、相手に与えれば、
相手は与え返したくなり、やがて与え返そうとすることを意味している。
「与えて与えられる」の原則の反対である
「奪って奪われる」の原則も同様に成立する。
これらは、「やられればやられたことでやり返したくなる」という
人の心の性質によるものである。よって、相手から与えられれば
与え返そうとし、相手から奪われれば奪い返そうとするのだ。
この最たるものが「恩返し」や「復讐」である。そして、
やられれば増し増し(1.25倍のような)にして返したくなるもので、
ゆえに、善い方向に働けば繁栄的な幸福となり得るが、
悪い方向に働けば、やられたらやり返す復讐の連鎖となるのだ。
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何かを試みて「成功」または「失敗」したとき、一連のプロセスを
原則から照らし合わせてみれば、なぜ成功したのか、なぜ失敗したのか、
その理由や原因が浮き彫りになり、自身の行いを反省しやすくなる。
当サイトでは、これら3原則を踏まえ、幅広く人間関係を説明する。
複雑な人間関係を紐解くヒントになれればと考えている次第である。
以上、お役に立てれば幸いである。